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2025年12月13日土曜日

【プリンセッション・オーケストラ 第34話「もう逢えないことよりも」 おさらいレビュー】

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【おはなしのあらすじ】
みなもたちは、これまでふれあってきたアリスピアンたちから、今、一緒にいることの喜びを伝えられます。

水辺を望むステージの横で、みなも、なつ、かがり、ながせ、ナビーユは、すみれと向き合っていました。
すみれは、ステージを見やると、「あの子は、りりは、ずっと自分を責め続けているんです。大切な友だちを失ったあの時から」とこぼします。

そしてついに、すみれとりりが花の騎士となった理由が、すみれの口から語られるのでした。

みなもとながせは、「大切な友だちというのは、さっきりりが言っていたトーマなのか」とたずねます。

うなずいたすみれは、一同へ、自分とりりの『アリスピアとの出逢い』を話し始めます。
すみれは、「自分とりりは同じタイミングでアリスピアへ来た事」「戸惑っていた自分たちに明るく楽しげに声をかけてくれたのがトーマである事」を伝えます。

かがりは、動画に映っていたアリスピアンがトーマであると気づきます。

かがりは、すみれへ「たまたまみなもが見つけたんです。妹さんがアリスピアンと一緒に歌い踊る動画…」と話します。
そして「それはもう、本当に楽しそうに」と笑顔を浮かべます。

すみれは、かがりたちの事情を察した後、「そのアリスピアンがトーマです」と目を伏せます。
そして、「自分たちはトーマの優しさにふれ、それ以来アリスピアではいつも一緒に過ごすようになった」と続けます。

すみれは、ナビーユを見上げ、「ちょうどあなたたちにとってのその子のようなものですね…」と懐かしむように言います。

すみれは「トーマは、特にりりと、親友と呼べるほどに仲良しだった」と語ります。
ながせは、「それであんなにキラキラしてたんだ。大好きな親友と一緒だから…」と眉を下げ、あごに手を当てます。

すみれは、「私たちは歌って、踊って、アリスピアでの生活を楽しんでいました。そう、本当に幸せだったんです。あの時までは」と空を見上げます。

すみれは、あの日、りりとトーマが熱心に練習し、自分がりりの動画を撮影した時のことを振り返ります。

トーマは、「またすみれがゾーン入ってるけど」とあきれます。
りりは、「好きなだけさせておいてあげて。それよりもさ。わたしたちも早くライブできるように頑張ろうね。トーマ!」と告げます。
トーマは、「アリスピアンの自分がライブに出てもいいのかな」と心配します。
しかしりりは、「いいに決まっているじゃない! わたしたち、ずっと一緒だもん」と笑います。

トーマはりりを輝かせようとし、りりはトーマと一緒に踊ることを楽しみにします。
また、トーマは、すみれへ「いつか、キミたち姉妹とステージに上がるのがオイラの『夢』! 今決めた!」と笑います。
すみれとりりは、いつかトーマの夢を叶えようと、はしゃぎます。

すみれは「その日、りりとトーマは、本当にすごい歌とダンスを披露し、どんどん熱量を上げていった」とすみれは言います。
すみれは「正直、私は心の底から感動に震えていました。私たちとアリスピアン。生きる世界は違っても、こんなにわかり合える事ができるんだって」と告げます。
しかし、「その時がやってきてしまった」と、すみれは言います。
トーマは、『楽しい』と笑いながらりりと踊っていた途中で、突然消えてしまったのでした。

りりはトーマに呼びかけますが、トーマからの返事はありません。
りりは、辺りを見回しながらあちこち呼びかけますが、どこにもトーマの姿はありません。
やがて、くずおれたりりは、「ライブしようねって言ったじゃない…。ずっと一緒だって…。トーマあああああ!」と泣き叫んだのでした。

すみれの話を聞いたかがりたちは、『アリスピアンが消滅する』という話を聞いて、言葉を失います。
ながせは、隣のナビーユへ、「どういうのナビーユ! そんなことってあんの!?」と“ナビ助”呼びもできないほどに動揺しながら、たずねます。
ナビーユは、うなったまま言葉をにごします。

すみれは、一同の反応を見つつ、「それから少し経った頃、自分たちは花の騎士となったのだ」と話を続けます。

すみれは、泣いて座り込むりりへ、どう言葉をかけて良いか分かりませんでした。
そんな時、りりへ「その両手、ひざを抱える為だけで良いのですか?」と声をかけてきた人物がいました。

驚くすみれの目の前で、異形の人物、白の女王は、りりへ「あなたのような者を、わたくしは求めていました」と告げます。

白の女王は、りりへ名乗った後、「あなたと、あのアリスピアンの絆。見ておりました」とほほえみます。
りりが「トーマを知ってるの!? どこに行ったの!?」とたずねると、白の女王は「あの者は消えてなくなりました」と告げます。

白の女王は、「アリスピアンが生きていく上で必要なエネルギー『ミューチカラ』。しかし、強すぎる力は毒にもなる」と語ります。
そして、「あなたと共に歌い、舞うことで高まり続ける己のミューチカラに、あのアリスピアンは耐えられなかったのです」と続けます。

りりは「だからトーマは消えちゃった…。わたしのせいなの!?」とむせび泣き、白の女王は、そんなりりへ手を差し伸べます。
そしてすみれの見ている中、白の女王は、りりを抱きしめます。

白の女王は、りりへ「あなたの痛みはわたくしの痛み。あなたの悲しみはわたくしの悲しみ」と優しく述べます。
そして、「この悲劇を繰り返させない為に、共にアリスピアから強すぎるミューチカラを取り除くのです。わたくしの騎士となって」と、りりを花の騎士へ変えます。
そうして、同じく花の騎士となったすみれも、白の女王のもとへ向かうのでした。

すみれの話を聞いて、みなもは「そんな、そんなことって…」と涙をはらはらとこぼし、かがりは「それが、妹さんがあそこまでする理由」とつぶやきます。

すみれは、「それでも、何も知らない女の子たちに怖い思いをさせる事には変わりはない」と告げます。
そして、「そんな事を、大切な妹にはさせたくない!」と顔を上げます。

すみれは、立ち上がり、「だから私も花の騎士となったんです。そんな重荷は私だけが背負えば良い」と告げます。
そこですみれは表情を緩め、「結果はこの体たらくですけれど…。情けない姉ですね…」と苦笑します。

みなもは、声を上げようとしますが、結局、何も言うことができませんでした。

『そんなことないです! あの時の風花先輩、すっごく、すごかったです!!』

みなもは、かつてすみれがジャマオックから女の子を助けた時に、『ダメですね…私』と落ち込むすみれを、元気づけました。
しかし、今のみなもには、すみれへどんな言葉をかければ良いのか、分からなかったのでした。

すみれは、女の子たちに怖い思いをさせてでも、りりたちみんなを守れる“なりたかった自分”になろうとしたのに、結局なれていない自分をあらためて感じます。
そして、そんな自分を、『軽蔑します』と言った後も元気づけようとしてくれるみなもの気持ちを感じます。

すみれは、自分から顔をそむけるみなもへほほえむと、ステージの横の階段を上がっていきます。
そして、一同へ、「分かってもらえましたか? 私たちには、戦うだけの理由があるって」と静かに告げた後、去っていくのでした。

残されたみなも、なつ、かがり、ながせは、水平線上の丸い光からの日差しを浴びながら、ステージの上でナビーユと向き合っていました。

かがりは、「ナビーユは、知っていたの? 強すぎるミューチカラにアリスピアンが耐えられないって…」とたずねます。
ナビーユは、いちばん長いつき合いであるかがりからたずねられ、一瞬考えた後、「うん、知ってた」と答えます。

ナビーユは、戸惑うみんなへ「そもそも自分たちアリスピアンは、アリスピアに満ちるミューチカラが形になって、それぞれの意思を持ったものだ」と説明します。
そして、「だからミューチカラが生きる糧になる」「でも、許容量・限界値みたいなものがある」と続けます。

みなもは、『強すぎる力は毒にもなる』という白の女王の言葉を思い出します。
ナビーユは、「そう。限界を超えてしまうと純粋なエネルギーであるミューチカラにまで還元されてしまう」と答えます。

なつは、「それ、アリスピアンはみんな知ってる事なの?」とたずねます。
なつは、これまでアリスピアに来ることで元気を湧かせ、アリスピアンとふれ合いながらも、それらの不思議さについて考えていたため、たずねたのでした。

ナビーユは、「うん。誰かに教えられたわけでもないけど、なんとなくね」と答えます。
なつは、ナビーユの言葉を聞いて、「なのに、アタシたち。アリスピアで好きなことができるの、無邪気に喜んでたの…?」と胸に手を当て、目を伏せます。

ながせは、『高まり続けるミューチカラにアリスピアンは耐えられず、消滅する』という大事なことをどうして教えてくれなかったのか、といきどおります。
かつてナビーユは、みんなへ『僕にも歌やダンスが上手になれるような発明品、作ってくれないかな』『僕もみんなと歌ったり踊ったりしたい』と言いました。
そして今ナビーユは、ながせと一緒に、アリスピアンたちへ歌やダンスのレッスンをしています。

ナビーユは、ながせから一瞬顔をそむけた後、「言えないよ。みんなに余計な心配させちゃうでしょ…」と笑います。
ながせは、あっと気づいた後、うつむきます。

ナビーユは、シリアスになった雰囲気を感じ、「あ。でもでも、理屈としてはそうでも、実際に消滅するアリスピアンなんて見たことないんだよ」と言います。
そして、「だって、自分でそこまでミューチカラを高められるんなら、君たちと共生する必要がないもの」と手を振ります。
ナビーユは、「とにかく! 戦いは一段落したんだしさ。帰ろうよ。みんな」と明るく告げます。

『Win-Winの関係だから変に引け目を感じることはないよ』
『僕たちはみんなあっちの世界の人が大好きだよ。そうでなきゃ一緒にいるわけがない。憧れもするし、友だちだと思ってる!』

かつてナビーユは、『自分たちだけが楽しんでいる』と恐縮するみなもたちを気づかいつつ、みなもがドランの問いに詰まった際はドランへ言い返してくれました

みなもたちは、その時と同じくナビーユの気づかいを感じますが、うつむくことしかできませんでした。
大好きなアリスピアンを失う悲しみが、もはや自分たちとも無縁ではないのですから。
そうして、みなもたちは、りりとすみれの戦う理由が、理解できてしまったのでした。

家に帰ったみなもは、ベッドに入っていました。

みなもは、今日のすみれとナビーユの話や、過去の自分たちのふれ合いを思い出します。

『みんな一生懸命頑張って、どんどん上手になってくれてうれしいよ』
『私もそろそろ、ちゃんとしなければならないみたいですから』

『ほんとうにステキだよね、アリスピア。みんなの色んな楽しいに満ちてて。歌だって、ダンスだって。あなたも好き?』
『嫌いです。歌もダンスも。その楽しいの先にあるのが、どんなものなのかも知らないで』

みなもは、すみれりりがどうして自分たちへ怒るような態度を見せていたのかをあらためて理解します。
そして「そっか、だからあの時も…」と手で口を押さえます。

自分たちが、歌やダンス、お菓子作りなどで『ミューチカラ』を高めることで、トーマのように大好きなアリスピアンが消えてしまうかもしれない。
みんなに好きな事、楽しい事を共有した先で、悲しい思いを生んでしまうかもしれない。
そう思ったから、2人は自分たちへ怒るような態度を見せたのだ。

みなもは、トーマを失った2人の気持ちを思い、何も知らなかった自分たちの言葉のナイフを思います。
そして、「わたしたち、知らない間に二人を傷付けてたんだ……」と両手で顔を覆います。

学校の図書室で、みなも、なつ、かがり、ながせは、図書委員の業務を行うすみれを見ていました。
かがりは、「あの人はずっと、ああいう風に心の奥底を隠したまま過ごしていたのね」とつぶやきます。

アリスピアのプリンセス部屋で、4人はお茶を前に無言になっていました。
誰もアリスピア活動をしないのを見て、ナビーユも気落ちします。
そんな時、テーブルに置かれた黒電話が鳴りました。

ナビーユは、黒電話を取って二、三言やり取りした後、「今かい? とりあえず連れてってみるね」と告げます。
ナビーユは、何事かとたずねるかがりへ、少し考えた後、「ご指名みたいなんだよねー。君たちを」と笑います。

ナビーユがみんなを連れてきたのは、みなもが動画撮影に使っているキッチンスタジオでした。

グリムさんはみんなへ来てくれたことを感謝し、みなもはこの前のライブが中止になってしまったことを謝ります。
グリムさんは、「みなさんが気に病むことはないでありますよ。怪物騒動はもう、事故みたいなものでありますからなー」と笑います。
みなもたちは、グリムさんの気づかいを感じ、ほほえみます。

グリムさんは、かがりたちから用件を聞かれ、「まさしくこの間のことなんであります」と答えます。
そして、「中止になったライブを、日を改めてやり直すというのはどうか」と話を切り出します。
グリムさんは、女の子たちだけでなく、アリスピアンからも要望がたくさん来ていると説明します。
周りのアリスピアンたちも盛り上がりますが、『高まり続けるミューチカラにアリスピアンは耐えられず、消滅する』と聞いたみなもたちの表情はくもります。

グリムさんは、「もっちろん、私もその一人でありますが」と胸に手を当てます。
そして、「みなさんを見ていると、『一緒に歌って踊りたい』という抑えられない衝動が芽生えるんでありますなー!」と喜びます。

みなもは、グリムさんの言葉を聞き、暗い絶望の面持ちで「…っ、それは…」とつぶやきます。
グリムさんや他のアリスピアンは、それに気づかず、「おっと、こちらだけ盛り上がって申し訳ないであります」と笑います。
そしてグリムさんは、やり直しライブの日取りをたずねますが、みなもたちはうつむいて答えられませんでした。

ながせは、「その気になれないですよ。もう」と口火を切ります。
グリムさんは「どうしてであります? ぜひやっていただきたいでありますが」と不思議がります。
ながせは、うつむいて、「だって! もしそのライブでみんなのミューチカラが強くなり過ぎて、限界超えちゃったら…消えちゃうんでしょ」と核心に踏み込みます。

グリムさんは、ながせの話を聞いて「ほほぉー」と得心したように言うと、「そういうこともあるみたいでありますなー」と続けます。
ながせは、「そういうことで流さないでよ!」と思わず叫び、その後、心配している相手へ当たるように言ってしまったことをくやみます。

グリムさんは、そんなながせへ「でも私たち、別にそこまで気にしてないでありますよ」とほほえみます。
ながせは、「気にしてないって…。消えちゃうんだよ! 自分が無くなっちゃうんだよ!」とみんなへ必死にうったえます。

グリムさんは、そんなながせへ、「だって好きなんであります!!」とキラキラした笑顔で言います。
そしてグリムさんは、「え、な…なにが?」とキョトンとするながせやみんなへ、これまでふれ合ってきた自分たちの想いを伝えていきます。

「あなたたちの生み出すものぜーんぶがであります」
「その笑顔が大好きなんであります」
「見ているとこちらまでワクワクして、楽しくなっちゃうんでありますなー!」
「そんな素直な気持ちをガマンして、消えてしまわないように静かに過ごすんでありますか?」
「それで本当に私たちは、『幸せ』になれるんでありますかね?」
『生きてる』って、言えるんでありますかねえ?」

ながせは、「で、でも、消えちゃったら、楽しむこともできないんだよ」と言いつのります。
グリムさんは、「うーん」としばらく考えた後、「じゃあ、私たち、出逢わなければ良かったでありますか?」とたずねます。
グリムさんの問いかけを聞き、みなもは目を開き、かがりは目に力を込め、ながせは目をつむり、なつは目を前に向けます。
みなもたちは、拳を握り、顔を上げて、グリムさんの「そんなの私たちはイヤでありますなー」という言葉を聞きます。

グリムさんは、他のアリスピアンたちと一緒に、「もう逢えないことよりも、今、こうして一緒にいることがうれしいんであります」と優しく言います。
そして、「それは誰に言われたからでもない。私たちだけの感情であります」と体の中のミューチカラを輝かせます。

グリムさんは「きっと、この衝動が、『生きる』ってことなんでありますよー!」と告げ、他のアリスピアンたちもうなずきます。

グリムさんは、翼を広げて、「それに別にいなくなっちゃうわけじゃないでありますよ」と笑います。
そして、驚くみなもたちへ「だって私たちは、ミューチカラでアリスピアのどこにでも満ちているんでありますから」と答えます。
グリムさんの答えに、みなも、なつ、かがり、ながせは、それぞれ考えます。

みなもは、伏せていた目を開け、胸に手を当てると、「伝えに行こう。風花先輩に。アリスピアンたちの想いを」と強く言います。
みなもの決断に、みんなはうなずき、ナビーユはほほえみます。

その頃、すみれは、水辺を望むステージをふたたび訪れていました。
かつて、りりとトーマが見て楽しんでいたステージ横の花は、開いておらず、つぼみのままでした。
すみれは、「思い出の中でなら、いつだって会えるのにね」と笑います。

過去をしのぶように振り返ったすみれは、ステージの上にかがり、みなも、なつ、ながせ、ナビーユがいることに気づきます。
すみれは、一同へここに来ることが分かった理由をたずねますが、かがりから「なんとなくそうなんじゃないかと」と告げられます。
すみれは、「なんとなくには勝てませんね」と苦笑します。

すみれが、一同へ用件を聞くと、なつが胸に手を当て、「アタシたち、あらためてお話を…って」と答えます。

すみれは、なつの言葉を聞き、「トーマのことを聞いた上で、それでも自分たちを止めようとしている」と判断します。
そしてすみれは、かつてのバンド・スナッチと同じく、「もう言葉はいりません」とシンシアへ変身し、プリンセスたちと戦おうとします。

『もうムダな言葉はいらねえ。ここからは力と力のぶつかり合いだ』

ながせは、変身時の暴風に煽られながらも、問答無用とばかりに戦おうとするシンシアに対して、「ガンコなんだから!」と歌のカケラを構えます。
かがりも歌のカケラを構え、「2人ともここから離れ――」と言いかけますが、なつはみなもが立ったままであることに気づきます。

みなもは、変身しないまま、シンシアに駆け寄ると、その両肩へ手を置きます。
一同は、みなもの意外な行動に目を見開きます。

シンシアは剣を握る手に力を込めて「なんのつもりの――」と言いかけますが、みなもは「よく考えてください!シンシア!」と強い声で言います。

みなもは、シンシアの肩に置いた手に力を込めながら、「白の女王のする事を、本当にアリスピアンが望んでいるとは思えません!」と告げます。
シンシアは、みなもの腕に手をかけ、「少なくとも第二のトーマが生まれる事はない! もうあんな悲しい気持ちはまっぴらなんです!」と叫びます。
みなもは、顔をそむけるシンシアの肩を引き寄せ、自分の顔を近づけて、「それだけだったんですか!?」とたずねます。
そして、自分を見るシンシアの顔をまっすぐ見て、「トーマがあなたたちに残したものは……本当に悲しい気持ちだけだったんですか!?」と告げます。

シンシア、すみれは、みなもの言葉を聞いて、自分とトーマとりり、3人での思い出を振り返ります。
そして、りりの笑顔を、自分の笑顔を、トーマの笑顔を思い出していきます。

すみれは、みなもの腕にかけていた手を滑らせるように離します。
すみれの視界の中、みなもは、表情を緩めて言います。

「わたしたちに教えてくれたアリスピアンがいました」
「たとえ消えてしまうようなことがあっても、それでもわたしたちの生み出すものが大好きだって」
「もう逢えないことよりも、今、一緒にいることがうれしいんだって」

みなもは、ほほえみます。

自分たちの大好きなアリスピアンは、一日、一日を懸命に生きている
自分たちと一緒に、大好きなものに一生懸命になって、頑張っている。

自分たちともう逢えないことよりも、出逢えたことがうれしい。
今、一緒にいられることがうれしい、と喜んでくれている。

すみれは、みなもの言葉、これまでふれ合ってきたアリスピアンの想いを聞いて、握っていた剣を落とします。
みなもは、そんなすみれに顔を近づけ、「聞いて、風花すみれさん」と名前を呼びます。
そして、「わたしたちがいくら言葉を尽くしても、りりちゃんには届かないんです!」とすみれの肩をきつくにぎり込みます。

みなもは、すみれへうったえかけるように、「あなたが伝えなきゃいけない! 他の誰でもない、お姉ちゃんのあなたが!!」とすみれを揺さぶります。

『分かりません。あなたの言ってること、ちっとも分かりません!』
『そんな優しくない世界をみんなが望んでいると思っているんですか!』

かつて、赤の女王に付き従うドランが『強くなければ生き残れないアリスピア』について話した時、自分たちは言葉を尽くせなかった。
そして今、自分たちが言葉を尽くそうとしても、きっとりりには届かない。
りりが『わたしにおしりペンペンできるのはお姉ちゃんだけです』と言ったように、すみれが伝えなければならない。

この前みなもは、姉としてりりを守れていない“自分”を感じて落ち込むすみれへ、何も言えませんでした。
そんなみなもは、自分もお姉ちゃんであり、りりが妹だと知らない時から、すみれを『お姉ちゃんに見える』と感じていたみなもは、いま自分の想いを伝えました。

みなもは、すみれを応援した後、体を離して「お願いします。風花先輩」と告げます。
かがりとながせは力のこもった眼差しで、なつは心配そうな眼差しで2人を見守ります。

そんな時、突然、ナビーユがジャマオックの反応を感じ取りました。
なつとながせは辺りを見回しますが、どこにもジャマオックの姿はありません。
かがりは「ここじゃない。シンシアじゃないというのなら!」と眉を立てます。
すみれは「りり…」とつぶやきます。

その頃、ピュリティに変身したりりは、ジャズフェスティバルの会場をジャマオックと共に襲っていました。

ピュリティは、逃げまどう女の子たちやアリスピアンたちを見て、覚悟を決めるのでした。

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