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2026年1月17日土曜日

【プリンセッション・オーケストラ 第37話「雪解けにはまだ遠く」 おさらいレビュー】

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【おはなしのあらすじ】
みなもとなつたちは、すみれとりりをおデートに誘い、水族館でふれ合います。

学校の教室で、昼休みの鐘が響く中、すみれはお弁当のバッグを広げようとしていました。

そこに横合いから、ながせが「そこな風花パイセーン」と声をかけてきました。
すみれは、自分と机の間に入ってきたながせへ「一条さん。近いですね…」と体をのけぞらせます。

ながせは、すみれへ迫りながら「お話がありまーす! お返事は、“はい”か、“イエス”で!」と手を上げます。
すみれは、ソラミタワーの時と同じくグイグイ来るながせへ、「拒否権はないんでしょうか…」「お昼ご飯を…」と困り顔を浮かべます。

ながせは、何の問題もないとうなずくと、「ものども!」と指を鳴らします。

すると、みなもとかがりが、両側からすみれの腕をつかんできました。
すみれは「は、離れてください」と慌てますが、グローブをつけた2人は、スゴい力ですみれを押さえ込みます。

ながせは、目を伏せ、「さるお方が開発した、上級生捕獲用手ぶくろ『マイトグローブ』の性能…どうです?」と指を立てます。
すみれは、「情報量多くありませんか…」と苦笑いし、ながせは「ぷれぜんてっど ばい 葉加瀬まなび!」と歯を見せて笑います。
すみれは、「直前に開発者を伏せていた意味は…」と汗を垂らします。

ながせは、そのままみなもとかがりと一緒に、すみれを教室の外へ連れていってしまいました。
また、なつは、連行後に教室の扉から顔を出し、すみれのクラスメイトへ「お騒がせしましたー!」と告げるのでした。

その後、すみれ、ながせ、なつ、かがり、みなもは、校舎の外のテーブルに座っていました。
ながせは、隣りに座るすみれへ、「というわけで風花パイセン。あたしたちとおデートしましょ」と指を立てます。
すみれは、「お、おデート?」と驚きます。

向かいに座ったみなもは、「わ、わたしたち、お互いにもっと分かり合う必要があると思うんです!」と、拳を握ってうったえます。

みなもは、前に開いた“打ち上げ兼祝勝会兼親睦会”や、ながせの“おデート”のことを踏まえつつ、今度は自分からおデートを切り出します。

すみれは、『出逢ってから日が浅いため、親睦を深めたい!』というみなもの意図を察し、「ああ、そういう…」とかつてのかがりのように答えます。
かがりは、すみれへ「それで今度の休みにでも、みんなで遊びに行こうか、って話になったんです」と笑いかけます。
なつも、「ほら、りりちゃんも一緒に」とすみれへ補足します。

ながせは、「かがりくん。例のものを」とメガネを持ち上げるジェスチャーをしながら、いかめしく告げます。
かがりは、「どうぞ」と机の上に券を出し、ながせは「ジャーン! 水族館ご招待チケット、都合6枚!」と叫びます。

かがりは、「以前、母がホテルでコンサートをした時がありまして。その時に併設されている水族館のチケットを主催者から頂いたんです」と説明します。
そして、「両親は忙しくてなかなか行けないし、私も一人で行くのはさみしいから、今まで宝の持ち腐れだったんですけれど」と続けます。

『誘いはするんだけど、みんな変に恐縮して来てくれないのよね』
『でもあなたたちには感謝してるわ。友達になってくれて。ありがとうね』

かがりは、前にみなもたちへ説明したように両親の忙しさや自分の状況に触れつつ、すみれへチケットの話をします。
すみれは、「そうでしたか…」とかがりの事情に得心します。
すみれは、しばらく目を伏せた後、「でも、私たちが今さらあなたたちの輪に入っていいわけが…」と目をそらします。
しかし、ながせは「あ、そういうのいいです」とシリアスムードを速攻で断ち切ります。

かがりは、「花の騎士とか、プリンセスとかじゃないんです。風花先輩、前に言いましたよね。学校では私たちは可愛い後輩だって」とみなもと一緒に笑います。
そして、「なら、先輩後輩が一緒に遊びに行くのに、何の問題があります?」と笑みを深めます。
みなもも、「わたしたちは、ただ、“風花すみれさん”って優しい先輩と、もっと親しくなりたいだけなんです」と告げます。

『学校でするお話じゃないですからね。それに何度も言ってますでしょ。図書室では静かに、ですよ』
『本音を言うと、私だって、あなたたちとは戦いたくないです。可愛い後輩ですものね』

すみれは、おデートを画策した一同が、アリスピア図書館での自分の言葉に絡めて、口八丁手八丁で約束を取り付けようとしているのを感じます。
そして、一同の視線を受けながら、「意外でした。あなたたち、結構からめ手を使ってくるんですね」と笑います。

ながせは、りりに言ったように、「さんざっぱら歌のカケラでIQ高いバトルをしてきましたしねー!」と得意げに語ります。
みなもも、ほほえみながらうなずき、すみれは、そんなみなもを見つめます。

『聞いて、風花すみれさん』
『あなたが伝えなきゃいけない! 他の誰でもない、お姉ちゃんのあなたが!!』

すみれは、前に自分へうったえかけてきた時と同じように、みなもが“風花すみれさん”と言って、おデートを頼んできた事を思います。
そしてすみれは、目を伏せて笑うと、「分かりました。お付き合いしますね。あなたたちの先輩の、“風花すみれ”として」と告げます。

みなもは、顔をほころばせ、「わあ、ありがとうございます。わーい!」と両手を合わせます。
かがりは、「計画通りね」と笑い、ながせは「さすが我々の知恵袋!」とはしゃぎます。
ながせは、これまでも優れた作戦で難題を突破してきたかがりを、あらためて持ち上げるのでした。

すみれに約束を取り付けられたところで、なつが、すみれへ「風花先輩」と声をかけました。
なつは、すみれに体を向けながら、「りりちゃんに伝えてもらえませんか? アタシ、キミともっと話したいって」と言います。
すみれは、「陽ノ下さん、妹と話した事が?」と、なつとりりの意外な繋がりに聞き返します。
なつは、困りかけるすみれをまっすぐ見て、「ええ、前にちょっと」と答えます。

みなもも、いつも一緒にいるなつが、自分の知らない間にりりと話し、さらにもっと話したがっていることを知って、「なっち…?」とたずねます。
すみれは、「そうですか。伝えてはみますけど。ご期待に添えないかも…」と笑います。
なつは、「それでもいいです」と告げます。
そしてなつは、これまでもみんなを待ち続けたことを思い、「アタシは、待つだけだから…」と空を見上げます。

小学校の放課後、りりは、校門に向かって歩いていました。
すると、後ろから走ってきたみらいが、「風花さーん!」と声をかけてきました。
りりは、振り返り、「姫崎さん…?」と目を丸くします。

その後、りりとみらいは、川のほとりのベンチで座っていました。
みらいは「さっきの音楽の時間、すごいびっくりしちゃった」と言います。
そして、「風花さん、あんなに歌上手だったっけ? 前と違うなーって」とりりへ笑いかけます。

りりは「そんなに違うかな…」とたずね、みらいは「うん!」とうなずきます。
みらいは、「なんだろう。今までは歌うのそんなに好きじゃないのかな、って感じだったんだけど…」と口元に指を当てます。
りりは、みらいの言葉に「ん」と小さく声を上げながら、笑みを作ります。
りりは、トーマがいなくなった悲しみで『歌もダンスも嫌いだ』と心を凍りつかせていたことが、みらいにも伝わっていたのだと気づいたのでした。

みらいは、そんなりりに気づかず、「でも、今日のは楽しそうだったよー! わたしも聞いてて胸キュンだった!」と表情を輝かせます。
りりは、“胸キュン”という表現に驚きつつ、自分の歌が変わったことを思います。

みらいは、間をあけた後、「ねえねえ、あんなに歌えるんならさあ。アリスピアでライブやりたくならない?」とりりへたずねます。
そして、「やってよー。そしたら私の三番目の推し、風花さんにしちゃう」と笑います。

りりは、みらいに圧倒されつつ、「三番目なんだ…」と汗を垂らします。
みらいは「一番はねえ、プリンセス!」と指を立てます

りりは、みらいの言葉を聞いて、ハッとします。

りりは、みらいに驚きを隠しつつ、「一番目が箱推しなんだ」と告げます。
みらいは、うなった後、「一人にしぼるとしたら、リップル!」と両手を合わせます。

『一番がんばってると思うから。見てると応援してあげたくなるの!』
『うん。リップルだけじゃなくて、みんな応援してるからね!』

りりは、みらいがプリンセス、特にリップルを推していることを知り、「そっか。……いい人だもんね」と眉を下げて笑います。
みらいは、りりの言葉を聞いて「会ったことがあるの?」と振り向き、りりは、慌てて「あ、そういうんじゃなくて…」と告げます。

『そんなひどい現実から、頑張る人たちを守りたい』
『だから、やらなきゃいけないんだ! 他の誰でもないこのわたしが!』

『やらなくちゃいけないんだよ。 他の誰でもないこのわたしが』

かつて花の騎士であったりりは、みなも同じ言葉で、みんなを守る覚悟を口にして、自分を奮い立たせました。
そして、『悲しい思いをするのは自分が最後にする』とあらためて覚悟を決め、アリスピアの過剰なミューチカラを抑制しようとしました。

そんなりりは、『みんなに悲しい思いをさせたくない』というプリンセスたちの願いが分かるからこそ、プリンセスたち、特にリップルへ何度も問いかけてきました。

『そうですよね。あなたたちはプリンセスだから。アリスピアも、そこに生きるアリスピアンたちも守るのが使命なんですよね』
『だったらどうして、わたしのジャマをするの!』

『だったら答えてください。ねえ、わたしに教えてくださいよ。プリンセス!』
『わたしが悲しい思いをしないように守ってくれるんなら、なんであの時、あの子を…トーマを助けてくれなかったの!』

『じゃあ、正解ってなんなんですか? わたしはどうすれば良かったの? 教えてくださいよ、プリンセス!』
『お願いだから…もう放っておいてくださいよ!』

りりは、今のプリンセスたちを、リップルを『プリンセス』だと思っていたからこそ、何度も問いかけ、激昂し、泣いてしまったのでした。

そしてりりは、プリンセスたちとぶつかる中で、ひどいことをする自分を何度も止めようとしてくれたリップルを“いい人”だと思っていたのでした。

りりは、くもりそうな雰囲気、ツッコまれそうな雰囲気を変えるため、みらいへ「えーと、推しの二番目は?」と聞きます。

みらいは、力強い笑顔で「そりゃあやっぱり、なつお姉ちゃんだね!」と答えます。
そして、「陽ノ下なつさん! 歌もダンスも上手で、カッコかわいくて、この間のライブも最高だったの〜」と頬を赤くします。

『あらためてよろしくね。風花りりちゃん。アタシ、陽ノ下なつ』

りりは、この前なつと話したこと、なつの笑顔を思い出します。
そして、『みなもたちとりりちゃんたちをつなぐ、手を取り合う架け橋になれるかもしれない』といった会話を思い出します。

すると、みらいが顔を近づけ、「ねえねえ、風花さんもいっしょに、なつお姉ちゃん推さない?」と迫ってきました。
りりは、みらいから視線を外して空を見上げます。
みらいも、思わずかしこまって空を見上げます。

りりは、プリンセスとリップル、なつを推すみらいと話し、「わたしはどうしたいんだろ…」と風を受けながらつぶやくのでした。

家に帰ったりりは、明るい部屋でなつのライブ動画を見ていました。
なつは、動画の中で華麗なステップを踊ります。

りりは、なつの歌い出しを聞き、綺麗な歌声に目を細めます。
そこへすみれが帰ってきました。

りりは、ずっとソファーに座っていたこの前とは異なり、入り口まで駆け出し、「お帰りなさい!」とすみれを出迎えます。
すみれは、出迎えの勢いのまま抱きついてきたりりの頭を撫でながら、「ただいま」とほほえみます。

その後すみれは、りりへ、みんなから今度の休みに水族館に誘われたことを教えます。
そして「私は行くつもりだけど、りりはどうする?」とたずねます。
りりは、「わたし…! わたしは、別に…」と目をそらします。
すみれは、りりへ「そうそう、陽ノ下さん知ってるでしょ。陽ノ下なつさん。彼女、『もっとあなたと話したい』って言ってたわ」と声をかけます。
りりはハッとし、すみれは、そんなりりを優しく見つめます。
そしてりりは、すみれを見つめ返すのでした。

おデートの日、ながせ、みなも、なつ、かがりは、水族館の前で待っていました。
ながせは、「鬼が出るか、蛇が出るか」とつぶやきます。
かがりは、「出るのは主に海洋生物でしょうね」とツッコみます。
みなもは、苦笑しつつ、「ソラミタワーのところも良かったけど、こっちも良さそうだね」と言います。

ながせは「水族館なんて、なんぼ行ってもいいもんですからねー」と告げます。
ちょうどその時、なつは、向こうからすみれとりりが手をつないで走ってくるのを見つけました。

一同の前にたどり着いたすみれは「ごめんなさい。遅れてしまって」と謝り、みなもは「うひゃあ〜〜〜、時間ぴったりですよー」と恐縮しながらフォローします。
ながせは「風花パイセンたちが来てくれるなら、こちとら始発から待ちますよー。いやさ、前日の夜から!」と、かつてのあいこのように手をかかげます。
かがりは「それはさすがに盛り過ぎだけれど。私もだいたいそんな感じです」と告げます。

そんな時、すみれの後ろから、りりが頬を染めながら顔を出しました。
なつは、りりへ「やあ」と手を上げた後、ふたたび引っ込んでしまったりりへほほえみます。
そうしてみなもたちは、未だよそよそしい風花姉妹の為に、水族館でおデートを始めます。

みんなで一緒に水槽の魚をながめたり。

みなもが絶叫アトラクションに無理やり乗せられてダウンしたり。
すみれがそんなみなもの背中をさすり、ながせが手を握ってあげたり
かがりがソフトクリームを食べて、お花を咲かせたり。
りりが、みなもを見つめた後、続けて視線を向けたなつにほほえまれて、頬を染めたり。

やって来た水族館で、みんなは大いに楽しみます。

ながせたちは、三角形のトンネルになっている水槽にやってきました。
みなもは、驚きの声を上げ、かがりは「海底に立ってるみたいね」とつぶやきます。

ながせは、みなもへ近づくと、「そういやリップルって、水中で活動できそうじゃないです? 名前的に」と耳打ちのポーズを取ります。
みなもは、苦笑い気味に、「その理屈だと、ミーティアは宇宙でも活動できるんじゃないかな…」と手を立てます。
ながせが一本取られたとばかりに「うん」と黙り込んだところに、大きな影が差しかかりました。

ながせは、頭上を通ったひし形の生き物を見て「うわ、めっぽうでけ〜!」と驚きます。
すみれは「あれは『ナンヨウマンタ』さんですって」と告げます。
かがりは「ご飯をあげられるらしいわよ。もう少しで次の回になるわ」とスマホで調べたことを告げます。
なつは、かがりの言葉を聞いて、思いついたとばかりにりりへ声をかけます。

なつは、かがんでりりと目線を合わせると、「ねえ、りりちゃん。一緒にあげてこよ」とりりを誘います。
りりは「わ、わたしはいいです」と言いますが、なつは「いいんだね〜。じゃあ行こうかー」と強引にりりの手を取ります。
なつは、「違くて」と慌てるりりを連れて歩き出すと、「風花せんぱーい。りりちゃんもらっていきますねー!」と告げます。

『もたもたしてっと、なつパイセン頂いちゃいますよー』
『え―――!? ちょちょちょっまっ!! なっちはわたしの―――!』

『私の妹は今日もかわいい。アリスピア一かわいい!』
『りりー、すみれがまたゾーン入ってるけど』

普段からなつりりへの『好き』をあふれさせているみなもとすみれでしたが、あっという間に、なつとりりに置いていかれてしまいました。
みなもは、小さく口を開けてなつを見送り、すみれは、なつの意図を察したようにほほえみます。
かがりやながせも、意外な展開にあっけに取られながら、2人を見送るのでした。

そうしてなつとりりは、マンタにご飯をあげるため、水槽の上にあるバックヤードへやってきました。
係の人は、長い柄のついたひしゃくを持って、2人に説明します。

係の人は、「エサはオキアミです。こうやって泳いでいる先にそっと沈めてあげてください」とエサの入ったひしゃくを水中に入れます。
するとマンタが、大好物と言わんばかりにエサをのみ込んでいきます。
なつは、「ほら、一緒にやろ」と告げ、戸惑うりりの手を引きます。

なつとりりは、一緒にひしゃくの柄を持って、水槽の中にエサを沈めます。
係の人が「うまいうまい」と拍手する中で、マンタがエサをのみ込んでいきます。

りりは、その様子を見て笑顔を浮かべます。
なつは、「やっと笑ってくれたね」とほほえみます。
頬を染めたりりは、「あなたもちゃんとご飯をあげてください。……なつさん」と小さく言います。
なつは、りりの言葉を聞いて、「任せといて!」と笑います。

そうしてマンタにご飯をあげたなつとりりは、バックヤードから戻っていました。
なつは、りりへ「さっきみたいな素顔のままでいいんだよ」と優しく言います。
そして「みなもたちと接するのに、変に気負わなくても、みんなちゃんとわかってくれるよ」と続けます。
りりは「やっぱり、怖いです」と答え、なつは「そっか」とほほえみます。

なつは、「でも、みなもたちは、いつまでも待ってるよ。それだけは、忘れないでおいてね」と告げ、りりの手を握ります。
りりは、なつの温もりを感じながら、「はい」と答えます。
こうしてりりは、なつとのふれ合いによって、少しずつ笑顔を見せていくのでした。

その頃、アリスピアでは、りりと話したみらいが、まなびと会っていました。

みらいは、まなびへ「わたしも、なつお姉ちゃんみたいにステキになりたいの!」と意気込みます。
まなびは、「ま、確かに彼女はステキだな」と告げます。

みらいは、「でしょ! だから発明お姉ちゃん。協力してください!」とお辞儀をします。

まなびは、みらいの頼みを受けてミューチカラを湧き出させながら、「いい心がけだ。なら、みらいくんへ提供しようか」と指を立てます。
そして、前に発明した“プリンセス養成ギプス”を話に出します。

みらいは、ミューチカラを湧き出させながら、「そんなのがあるの!?」と目を輝かせます。

『オシャレすれば、わたしたちは何にだって変身できるんだから。そう、きっとプリンセスにだって』

みらいは、かつてギータに、オシャレすればプリンセスにだって変身できると力説するほどにプリンセスに憧れていたため、喜びます。

まなびは、「うん。僕の自信作だ。まさに陽ノ下なつが使用していた実績もある。小学生用に再調整しておこう」と告げます。
みらいは、「よろしくお願いしまーす!!」と元気よく頭を下げます。

その頃、本拠地では、モニターを開いた白の女王が、ミューチカラを湧き出させるみらいとまなびを見つけていました。
白の女王は、しばらく間をあけた後、アリスピアの過剰なミューチカラを抑制する為に動きます。
そして、手のひらに集めたエネルギーを握りつぶすと、「お行きなさい、ジャマスナーク」と告げるのでした。

同じ頃、おデートの途中でおみやげを見ていたすみれとりりは、白の女王の気配を感じます。
すみれは、りりとうなずき合った後、「ごめんなさい。急用ができました」と告げます。
大きなぬいぐるみを愛でていたかがり、かぶり物をかぶっていたながせ、なつと一緒に小さなぬいぐるみを触っていたみなもは、目を丸くします。
なつは、黙って、すみれの言葉を聞きます。

すみれは、「私たちはこれで失礼します」と言うと、りりと一緒に走り出します。
突然のことに、みなもは「え、え、え?」と慌てます。
かがりは「もしかして、またジャマスナーク?」と告げ、ながせは「あー、それっすよ。なんで言ってくれないかなあ、もおおおー!」と拳を握ります。
みなもは、混乱から復活すると、「わたしたちも!」と言って、駆け出します。

アリスピアでは、まなびが、みらいの手を引いて、現れたジャマスナークから逃げていました。
しかし、息を切らせたみらいは、つまずいてしまいます。
倒れたみらいのそばへひざを着いたまなびは、ジャマスナークが迫るのを見て、「ならば、今がその時だな」と立ち上がり、メガネを光らせます。

まなびが「僕の発明品パート2」と言って取り出したのは、以前みなもたちに実演した、吹き矢つきの万能リコーダーでした。

まなびは、リコーダーを手の中で回すと、ジャマスナークへ吹き矢を発射します。
吹き矢は、ジャマスナークの額に命中しますが、かつてのヴィオラのスミレと違い、ダメージを与えられませんでした。
ジャマスナークは、手足を動かし、まなびたちへ無傷をアピールします。

その後ジャマスナークが雄叫びを上げるのを聞いて、まなびは「ダメっぽいな」と告げ、みらいも「ダメっぽいね」と言います。
そのまま、2人は、繰り出されるジャマスナークの触手から走って逃げます。

そこへ、すみれとりりが駆けつけてきました。
りりは、みらいがジャマスナークから逃げているのを見て、驚きます。
そして、「お姉ちゃん、行くよ!」と歌のカケラを構えて、すみれと一緒に変身します。

まなびは、汗を垂らしながら「これならどうだ! 僕の発明品パート2ダッシュ」と告げ、照明弾つきの翻訳マイクを取り出します。
そして、補助アームで翻訳マイクのスイッチを押すと、照明弾を発射します。
照明弾は、ジャマスナークの額に命中して光を放ちますが、やはりジャマスナークにダメージを与えられませんでした。
まなびは、「それじゃあ、次は――!」と勇みますが、みらいから「その前に逃げよ?」とツッコまれます。

そこへ、変身を終えたヴィオラとネージュが、光の花びらと共に飛び込んできて、ジャマスナークの頭を蹴りつけました。
みらいは、2人の姿を見て「プリンセス!」と叫びますが、自分が見たことのないプリンセスだと気づいて不思議がります。
ネージュは、着地すると、みらいとまなびへ「早く避難して!」と呼びかけます。
みらいは「は、はいー!」とまなびの手を引き、慌てて逃げます。

ヴィオラとネージュは、歌いながらジャマスナークの手足をかわします。
そして、華麗にジャマスナークの胸にパンチし、ダメージを与えます。
ジャマスナークは腕を刃に変化させますが、2人は刃をかわしながらキックやパンチを当てていきます。
逃げながら2人の戦いを観察していたまなびは、「歌いながら戦う…。歌…? 歌が効果的なのか」とつぶやきます。

ジャマスナークは、胸のトゲをヴィオラとネージュへ発射します。
そして、トゲをかわしたヴィオラとネージュが背中側に移動するのに合わせて、今度は背中の口から弾丸を発射します。
弾丸は、空中で割れると、中からたくさんのトゲを発射します。
ヴィオラとネージュは、降り注ぐトゲの雨をかわしながら、駆け抜けていきます。

まなびは、振り返りながら、その様子をじっと見つめます。
そして、みらいと一緒に丘の向こうへ逃げていきます。
そこに、なつ、かがり、ながせ、みなもが走って駆けつけてきました。
なつは、「あの照明弾。まさかと思ったら」と告げます。

かがり、ながせ、みなもは、ヴィオラとネージュが手こずっていると感じて、歌のカケラを構えます。
そして、「私たちも戦うわよ!」「合点!」「もちろん!」とプリンセスへ変身します。

変身した3人は、ネージュとヴィオラの視線を受けます。

ネージュは、「あの人たちに甘えちゃいけない」と告げます。
ヴィオラも、「ええ。私たちで全部やらなくては」とネージュに応えます。

うなずき合ったヴィオラとネージュは、迫りくるジャマスナークへ必殺技を解き放ちます。

「「ヴィオラ クロス ネージュ クレイモアスマッシャー!!」」

ヴィオラとネージュの必殺技が、ジャマスナークへ決まります。
ジャマスナークは、力なく崩れると消えていきます。

また、ジャマスナークの消滅に合わせて、緑色の景色も元通りになります。
そして、ジャマスナークを倒したヴィオラ・ネージュ、変身後から何もしなかったジール・リップル・ミーティアと、なつがその場に残りました。

ジールは、「手こずっていなかったわね…」と汗を垂らし、リップルも「う、うん…」と引きつった笑顔を浮かべます。
ミーティアは、「あたしたち、変身ノルマこなしに来ただけ…。ここんとこ、パッとしなくないですかあ?」と不平を口にします。
ヴィオラとネージュは、そんな3人のプリンセスと、なつへ振り返るのでした。

みなもたちは、変身を解いたすみれとりりへ近づきます。
かがりは、目をそらしたすみれへ、「まだ、私たちを受け入れてくれないんですか?」とたずねます。
一同は、肝心なところで距離を置いてしまうすみれとりりに、もどかしい思いを抱いていたのでした。

すみれは、「この状況を招いたのは、白の女王に加担した私たちです。だから、その責任を負って2人だけで解決しないとならないんです」と静かに告げます。

『いいえ、私の不甲斐なさの結果ですから』
『でも、次はピュリティを出させません。私がすべてやってみせます』

『それでも、何も知らない女の子たちに怖い思いをさせる事には変わりはない。そんな事を、大切な妹にはさせたくない!』
『だから私も花の騎士となったんです。そんな重荷は私だけが背負えば良い』

すみれは、かつて花の騎士だった時にりりを戦わせなかったように、今度はりりと一緒に、みんなに頼らず、自分たちだけですべて背負って解決しようとします。

ながせは、「あーもう。責任責任って。一体、誰が何を責めてるってんですか」と、花の騎士だった責任感や罪悪感を抱き続ける2人へ眉を立てます。
りりは、視線をそらした後、「ごめんなさい」と言って、去っていきます。
みなもは、「あ…」と呼び止めようとしますが、りりとすみれは離れていってしまいました。
なつは、そんなりりとすみれの背中を見送るのでした。

その夜、ベッドで寝ていたみなもは、スマホからの着信音で目を覚ましました。
みなもは体を起こすと、枕元のスマホを取って、時間を確かめます。
時刻が“02:05”だと知ったみなもは、「深夜だ…」とつぶやき、届いていたながせからのメッセージを開きます。
みなもは、寝ぼけ眼で「プリンセスがテーマのイベント。開催に向け…参加者募集中」と、ながせから共有されたイベントの報せを読み上げます。

プリンセスに関係するものなら、歌でもダンスでも何でもOK
私たちのプリンセスに感謝の気持ちを届けましょう
ふるってご参加ください。“プリンセスフェスティバル”

イベントの報せを読んだみなもは、目を丸くします。

同じ頃、なつも、自室の机で共有された報せを読んで、「プリンセスフェスティバル…! これだ…!」と表情を輝かせるのでした。

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